statement
環海
水與岩石的交界,在地圖測量上構成了明確、決定人類居住的邊界。在現實中,海洋潮汐在任何時刻中對陸地的波動,卻讓土地呈現彼此交錯、動態的變化,在海水的起落間被改變。亞洲地理更為緊密地由海洋所環繞與滲透,同一面海洋卻構成了無數島嶼、礁石的分佈,國家的地理與文明即在地層與海的起落間形成。同時,在水的環繞和沈浸中,亦影響著對現代國家的政治關係、以及人類技術與自然災害的應對。
在此,我們不再將陸地與海洋視作某種阻隔、區分,而是進入到它們充滿變化的存在之間。本展覽關注影像與海洋的流動關係,將可見銀幕視作同步揭示出海與陸地間可見與不可見的介面。展覽中每一件作品皆如同一座島嶼,在環海的狀態下反射出與外部的多樣關係,同時各島嶼也將彼此形成網絡,呈現不同的觀看位置。本次展覽由non-syntax與日本策展人澤隆志合作,集結來自亞洲與世界各地的影像創作者,以實驗片、紀錄片等方式處理著地理、風景的凝視,以及反思人類文明與自然發展的問題,同時也透過動畫與行為紀錄,探討情感、身體液態般的連結。透過島嶼與海洋,將能產生一種鄰近邊界、被外在環境所包圍的狀態,亦可以跨地域的方式去思考我們所身處的現實。
水と岩の境界は、地図上では人間が住むことのできる明確な境界線となっています。しかし、海の潮の満ち引きによって、陸地は刻々と変化し、海と陸は連動しているように見えます。日本の地理は、無数の島や岩礁の分布を形成する海に包まれ、浸透しており、地層と海の干満によって日本の地理と文明が形成されています。同時に、水の包囲と水没は、近代国家の政治関係や、人類の技術や自然災害への対応にも影響を与えています
ここでは、もはや陸と海をある種の障壁や区別として見るのではなく、変化する存在の間にある入口として見ることができます。本展では、イメージと海の流動的な関係に注目し、海と陸の見える界面と見えない界面を同時に明らかにするものとして捉えています。各作品は、海の周りにある状態で外界との複数の関係性を反映した島のようであり、島は互いにネットワークを形成し、異なる鑑賞ポジションを提示しています。本展では、アジアをはじめ世界各国の映像クリエイターが地理や風景へのまなざしから、潮騒のような記憶や感情のつながりまで、人間の文明と自然の発展の問題を考えます。島や海を通して、国境に近く、外部環境に囲まれた状態を作り出し、地域を超えて、私たちがどこにいるのかという現実を考えることができます。
許鈞宜 (non-syntax) 金秋雨 (non-syntax)
日本のニュースでよく聞かれる「排他的経済水域(EEZ)」という言葉は、海の境界線を指します。人々は、陸地だけでなく水域に対しても、線を引いて内側を排他的に保護し、価値をつけ、隣国との差を強調します。"排他的"という言葉は英語でexclusiveで、唯一の、高級な、独占的なといった意味も持ちます。線の内側にこそ価値があるという感覚。
しかし、線の内側にいても苦しんでいる人々がいます。国籍、民族、言語、性差、経済格差による分断。興味深いことに、線の"淵"や"境"にいるひと同士は、お互いの弱さゆえに親近感、連帯感を生みやすいものです。(アンナ・ブダノヴァ「Among The Black Waves」)また、天変地異により様々な格差も瓦解して連帯が生まれることもあります。(レベッカ・ソルニット「災害ユートピア」)
映画祭や美術展は、その弱さを抽出して感じ入る場でもあると考えます。そもそもわたしたちが見ている映像は光。この可視光線というものが電磁波の波長のごく一部、波の淵でしかないのです。本プログラムでは、これらの"淵"や"境"が水域を漂って、「排他的」なるものに水を差すことができるよう期待します。
澤隆志